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マーケティングリサーチ関連ブックリスト

図解でわかる部門の仕事 マーケティング部

大木、白川、田部 日本能率協会マネジメントセンター 2002(1999)


目次

第1章 マーケティング部の機能
第2章 マーケティング部の業務
第3章 マーケティング部の仕事の進め方
第4章 マーケティング部門に必要な知識・スキル
第5章 マーケティング部門の最新動向
付録 マーケティング部専門用語集

第1章 マーケティング部の機能

・ マーケティング部の組織・機能は画一的ではない

→マーケティング部に関する一般的な理解:「マーケティング部とは、顧客(市場)情報を軸にして企業の他の組織をサポートするもの」
→欧米企業や外資系企業の場合:マーケティング部が他組織に対して強く関わる
→日本企業の場合:マーケティング部は他組織に対し文字通りサポート役に徹するというポジション

・ 多様な日本企業のマーケティング部

→日本企業の場合、マーケティング部の形態・定義・目的は企業特性によって異なる。また、全般的に、日本企業のマーケティング・セクションは他の組織をコントロールすることは少ない。
→マーケティング部の機能を自社に適した形で解釈することは、むしろ実際的に好ましいこと。要は、効率的なマーケティングを展開すればよいこと。従って、「当社のマーケティング部のポジション」を明確にしておくことが重要。

・ マーケティング部のポジション

→マーケティング部は他の組織をサポートする機能である:マーケティング部がいちばん市場(顧客)に近い存在である;市場の情報を保有してそれを分析して各組織の判断や行動にアドバイスを与えるのが役目

・ マーケティング部は他部門とどのように関わるか

→マーケティング部門は企業のすべてのセクションと大なり小なり関わりをもつのだが、重要なことはマーケティング部と単一の他部門との関係だけでなく、複数の関係する部門をマーケティングを軸にコーディネートする、ということが実際には多いということ

・ メーカーのマーケティング部

→(1)販売チャネルによって縦割りされた各部門にマーケティング機能をもたせるタイプ、(2)全社を横断・集約して一元的なマーケティング体制を目指すタイプ、の2種類

→日常的な役割の代表例:商品開発支援業務、消費者への情報伝達機能(宣伝広告や販促の立案と遂行、効果測定、代理店評価と管理、予算の効率的分配)、流通戦略に関わる機能(販売チャネルの維持管理と新規開発。また、最近のコミュニケーション戦略ではIMC的思考や広告費の効率化、流通戦略ではカテゴリー・マネジメントの提案などが重要な課題となっている

・ サービス業のマーケティング部

→メーカーのマーケティング部と比べキメ細やかさが要請されている
→基本的役割:どこに転がっているかわからない生活者ニーズをより早く見つけ出し、事業として形にすること
→ブランド・ロイヤリティの育成・強化が最大のテーマ
→自社の商品領域にとって有用な情報をわかりやすく加工して適切なチャネルで提供する活動
→販売チャネル支援活動、現場(売場、セールスマン等)の品質管理

・ 流通業のマーケティング部

→役割の中核:マーチャンダイジングと業態開発
→誰に(ターゲティング)、どのような商品を(商品開発・サービスミックス)、どのくらい仕入れて(仕入れ・管理)、いつどこで(時期・場所・レイアウト)、どのように展開し(演出・陳列)、どのような売り方(顧客コミュニケーション)をするか
・ 外資系企業のマーケティング部
→マーケティング部は企業収益の根幹であるから、本国からの干渉もかなり強い。
→マーケティングの視点がよりブランドと消費者・顧客に向いている
→トップに権限が集中、しがらみなどに左右されないマーケティングが推進される
→論理により忠実であり、客観的データ、情報の判断が意思決定に大きな意味をもつ
→マーケット・トレンド、消費トレンド、競合などの実態と予測、ポジショニング、シェアなどを数値化された目標に基づき管理する
→職業分担、業務目標、責任が明確
→英語や親元企業の現地語など言語知識が必要な場合が多い
→マーケティング・スタイルも親元国や企業個々によって万別。概して、自国スタイルのシステムを導入する傾向が強い

・ 生産財メーカーのマーケティング部

→エンド・ユーザーが顧客ではなく、その一段階手前の「企業」が顧客。しかし、エンド・ユーザー(eg. 建材の場合は住宅を購入する一般消費者)の情報も重要
→ブランド化=差別化が難しい:価格競争的色彩が強くなる傾向がある;しかし、生産財であってもブランド化を進めることは重要。直接顧客やエンド・ユーザーに向けてのブランド化の努力

第2章 マーケティング部の業務

・ マーケティング情報は、どのような時に必要なのか

→マーケティング部:情報のプロフェッショナル集団
→ある自社ブランドの売上げが下降しているとか、あるターゲットへの新製品を開発すべきかといったマーケティング問題が発生してそれに対する意思決定をする場合、マーケティング情報が必要となる
→収集した情報は、マーケティング問題に照らして使いやすいように加工する:「事実」と「解釈」を明確に分けることが重要

・ 情報の管理と使用

→通常から情報を集め、整理しておくことが重要;「情報」としての整理と「情報源」としての整理(=情報源情報)
→情報管理の留意点:保有するマーケティング・データは個人のものでなくマーケティング部のものだという意識が重要。スタッフ間での情報の共有化=財産としての情報の価値が高まる

・ マーケティング情報システムの構築

→MIS: Marketing Information System。情報収集・情報管理・マーケティングアクションを一つのシステムとして統合;調査方法の標準化、過去の結果に基づくノーム値(基準値)の確保に有効
→MISにフィードバック・システムを明確に組み込んでおくことも重要

・ マーケティング問題に関わる業務

→新製品開発に関わる業務:新しいニーズ・新しい価値観にあわせた新製品開発の必要。将来の成長商品を開発することの必要
→宣伝・販促に関わる業務:マーケティング担当者は消費者が購買行動に到達するまでの意識の変化とアプローチを理解した上で、自社の商品・サービスを購買するように、諸々のマーケティング・テクニックを有効に働かせ顧客に告知し理解させていかねばならない。

→流通に関わる業務:流通問題は「顧客との接点の問題」。商品をどのように顧客まで届けるかは重要なマーケティング戦略である。物流(製品の荷姿やチャネルの選択、エリア戦略など多くのマーケティング要素によって変化を及ぼす)と、商流(販売のツール、販売促進政策、エリア戦略など、マーケティング活動の実施を営業部門が担当)。店頭で顧客に商品を仕事(購入動機誘発、商品回転率の上昇など)はマーケティングの仕事と割り切っている企業もある。
→価格政策に関わる業務:価格決定に及ぼす主な要因として、・製品の機能や効用、・需要の大小、・製品ライン、・製造原価、・競争企業の価格、・販売チャネル、・業界地位

・ マーケティング発想・知識・テクニックを身につけるために

→マーケティング発想とは顧客を原点として目的を達成しようとするものであるから、基本は顧客一人ひとり、一軒一軒と直接話すことであり、そこから自分の感性・洞察力をもって仮説を見出すことである。
→マーケティング発想は極めて実践的・個別的なものである。
→「本を読め、人の話に耳を傾けろ、人とよく話し合え、よく観察せよ、そして考えよ」(IBM初代社長ワトソン氏の言葉)

・ マーケティング部のスタッフに必要な心構え

→自分に割り当てられた業務がマーケティング活動のどこに該当しているか確認する
→自分の業務や自分の位置を意識しながら業務を行う
→自分の実生活の中に関連させていろいろ連想してみる。自分の経験、家族の声、町でみた光景・・・
→自分の五体・五感を使って顧客の視点でモノを考える
→社内外の人との接触を大切にする
→業務外の付き合いを無駄にしない
→人脈はマーケティング活動の貴重な糧
→自己啓発に努め、環境変化にあわせて自己革新していく
→最新理論を把握することは重要だが、まずは実務

・ マーケティング部のスタッフをどう育成するか

→スタッフには戦略的な思考能力・コミュニケーション能力・顧客の変化を読み取る感性が必要
→マーケティング業務の一連のポータブル・スキルを身につけ、かつ個別の業務を戦略的な視野で見透せるスタッフの育成
→どう育てるか:画一的に教え叩きこむのではなく、育て伸ばす方針を貫く;業務外においても積極的に外部セミナーや研究会などに参加させる:グローバルな視野で自分の立場や業務を位置づけられるよう、また進んで自己啓発をおこない、継続的な自己改革を行えるよう意識づける

・ マーケティング部スタッフの自己トレーニング

→問題の本質を把握する能力を開発する:日頃の問題意識と論理的思考をこころがける
→自分の「土俵」をつくる:得意分野をもつ。人に語れるレベルまで徹底的に勉強する。思考を拡大する
→情報に強くなる:情報収集・分析のために、自分の「ブラウザ」をもつ
→戦略的思考能力を高める:明確な定義と自分の意思決定を戦略的基準で行い、見直していくことを習慣化する
→コミュニケーション能力を身につける:表現力・伝達力・説得力・洞察力を、日頃のトレーニングを通じて磨いていく

第3章 マーケティング部の仕事の進め方

・ 新製品開発における典型的な業務の流れ:マーケティング担当者がブランド・製品マーケティング計画の概要を組み立てる

→マーケティング担当者は自分が担当する製品開発に関する枠組みを作る
→自分の担当する製品群に関する市場環境や競合状態、また自社製品の分析やポジショニングなどの分析を実施する。
→製品のもつべきコンセプトや必須要素、狙うべき売上やシェア、消費者ターゲット、開発の進め方や日程などをまとめる
→開発・試作担当部門に狙いがわかるように「開発計画書」として明文化する

・ 開発部門との間で開発チームを設置する

→マーケティングの考えている製品コンセプトについて、常に意思疎通を十分にしておき、胸痛に理解できるようにするにはチームを組むのが有利
→一般的にはマーケティング担当者と製品開発部門(研究所や応用開発部門)担当者で通常の(対策チーム)を組んで進める
→重要課題や特別な目標のある場合は、関連する部門から専門家を集め、専任となって「プロジェクトチーム」を組み、開発を進める場合も多く見られる
→開発チームの編成は、生産技術・市場調査や、場合によって営業部門や生産工場・調達部門・法規・人事・管理部門など関連する部門からの参加も得る場合がある

・ 開発の目標を具体的な計画にする

→マーケティング部門は商品企画の立場から、その進行状況やスケジュール、試作品のコンセプト適合性や開発目標への合致性などを常に確認し、その方向付けを明確にする
→また、顧客の立場になって品質評価をし、試作品の方向付けを指示・示唆する
→開発計画書作成のポイント:・目標の理解度・価値観の共有化、・最終目標の製品像をわかりやすく具体的に、また重要コンセプトなどを記述(対象消費者、競合品との差別点、参考見本)、・スケジュールを設計(新製品導入のタイミングは重要)、・開発費用、試作品チェック方法や時点の設定=開発管理関連の計画を集約する

・ 新製品コンセプトを検討する

→新製品開発の基本的プロセス:「ニーズ型」(マーケティング戦略からスタート)と、「シーズ型」(研究開発からスタート)
→「ニーズ型」の場合、アイデアの収集・創出が重要
→製品アイデア:これまでの市場にない新しいコンセプトのもの、使い方や機能でこれまでの製品にはなかったもの、競合品より優れているもの、差別化と優れた機能やアイデアを考えていく必要がある

・ 試作品を作る

→試作・開発の進行中は、マーケティング担当者は常に試作開発担当者とのコミュニケーションを保ち、試作品の評価・試作方向の選択や進め方の方向付けをしていく
→「計画」「実施」「チェック」「検討」を繰り返し、よりよい製品や品質に仕上げていく
・ 製品計画をまとめ、承認を得る
→マーケティング部門で策定した販売目標や想定販売規模、販売開始時期、販売エリアなどを前提に、具体的には生産工場、能力、設備投資と設置計画、要員計画、工場作業人員の確保と訓練計画、生産開始などを検討する
→以上をもとに、原価計算・利益計画を計算する
→計画がまとまった段階で、製品決定の権限のある組織または責任者(多くは社長、事業部長、担当役員または委員会など)に上提、製品計画を決定する
→マーケティング部門は新製品の開発から導入までの全工程のディレクションを、中心になって進めていく

・ プロモーション戦略における典型的な業務の流れ:ブランド戦略・マーケティング戦略を確認する

→プロモーション戦略=商品やサービスを顧客へ伝え購入意欲を高め、購入に結びつけるための戦略。広義には宣伝広告機能、販売促進機能、パブリシティ活動、営業支援活動に大別される
→マーケティング実行計画のコアになる部分は、製品計画とプロモーション戦略および流通計画である

・ 宣伝広告部門にマーケティングに関する計画を説明する

→マーケティング計画の宣伝広告・販売促進政策は予算も大きく、経営上でも重要な活動
→マーケティング部門から宣伝広告部門へ(「プロダクトブリーフ」):マーケティング活動の目標、プロモーション活動の到達目標、市場規模・市場特性・競合状態・市場予測、製品のコンセプトや特性、消費者調査結果、ポジショニング、ターゲット、用途用法、発売時期、販売チャネル、販売地域、メディアミックス、投下時期予算枠などを説明
→特に宣伝広告部門が担当する活動に関わる部分については、マーケティング部門の意思や目標を具体的に示すことが大切

・ 宣伝部とディスカッションしてプロモーション計画を作成する

→マーケティング活動目標について担当の宣伝広告部門と検討を始める
→マーケティング計画に基づき、宣伝部で宣伝広告計画を策定する
→広告計画は広告目標設定、表現計画、プロモーション・ミックス、投下計画などが主な内容

・ 宣伝部と協力して広告・宣伝活動を推進管理する

→目標とするクリエイティブを出させるためには、アド・コンセプトを正しく制作者に提示することが早道
→アピール・ポイントやコンセプトの具体化表現など消費者調査などもし、事前の確認をしておく必要もある

・ 実施した広告の効果を測定する

→・広告素材、特にCMの品質調査は、CMを実際の視聴者に見せて、魅力度・商品の訴求点の伝達力、CM視聴後の購買意欲などを調査する、・GRP (Gross Rating Point: テレビの時間別局別視聴率を基に、投下したCMごとの視聴率を合算して総投下量を計算)、・浸透度調査(マーケティング活動を行った一定期間後に、製品知名度、購買や消費率、広告接触率などの指標、広告の中の想起内容、商品の知名経路、プロモーション活動の接触度、利用度などを調査する

・ 結果を分析し今後の方向を宣伝部と協議する

→プロモーション活動の目的は販売の拡大、シェアの拡大などにあるので、成否の最終的指標は販売高となる
→プロモーション活動の結果分析は当初もった目標の達成度のチェックが基本となる
→CFの寝室調査結果・CM投下実績分析と競合比較分析・浸透度調査・商品特性調査・消費者ターゲット分析・競合製品を含めた販売実績調査などを総合的に集め、その中におけるメディアミックスの効果分析やプロモーションの効果分析を行う
→特に、浸透度調査結果に基づき宣伝広告担当部門と検討協議をして、次回の宣伝広告計画を立案していく

・ 社内への情報提供における典型的な業務の流れ

→社内の他のセクションから情報提供を要請される:自社の調査情報部モンは自社のマーケティング活動分析に必要なリサーチ・スキルの向上、業界動向の知識理解を深めるとともに、普段から自社で必要な情報の収集分析、ファイリングを常に行い、必要時に他部門から要請のあった情報に対して素早く的確に情報提供ができるようにしておくことが重要
→必要な情報のありかと入手方法の確認/調査機関と得意な調査タイプの確認/過去の調査実績の保管整理(検索し易いようにファイル化、サマリー化など)

・ 情報提供システムのいくつかのタイプ

→基本的には報告書として体裁を整えて提供する:調査方法、結果の要約、結果の詳細、提言、付表としての調査票、調査対象物の見本、データ・ソースなどを含む
→データ情報や単純な情報依頼に対して:依頼日、依頼者、依頼内容、報告日、報告担当者を付して情報や結果を渡す
→イントラネットでは:自社の製品別・エリア別・チャネル別販売高、官公庁・業界団体の発表するデータ情報、社内配信を許可された調査機関の収集した市場情報やシンジケート販売データなど、を公開し、必要なときにいつでも検索利用できるようにする

・ 情報提供後のフォローをする

→提出した情報や加工分析したデータをフォロー、依頼部門とリサーチ部門との解釈や意見の一致を見ることが重要
→解釈をより正しくするために、フォロー・データや情報も集約分析し、活用し、ある結果に対しても、複数のデータや情報から信頼性確実性を高めていくことが大切

・ 必要な情報がなかったらどう対処するか

→既存情報データの組み合わせで新しい情報加工や類推をする
→予測データの場合は、再度別の方法で予測する
→新たな分析手法で分析を試みる
→外部データベースやデータバンクなどに資料の検索を依頼する
→(以上のような対応でも情報が得られなければ)再度調査する
→市場や消費者の既存資料から状況を読み取る分析力も重要である

・ トップなどへの対応における典型的な業務の流れ

→役員などからマーケティング問題や仮説が提出される
→チェックポイントは、経営報告書などから出てくる数字のみでなく、実施なり活動している業務や施策、実績、調査結果、社内外からのいろいろな意見や提言などがベースとなって意見、評価、提言、指示などとして部門に降りてくる
・ マーケティング部長などを通じて仮説検証を要請される
→マーケティング部長はトップなどからの要請や指示を分析し、担当者に何をすべきか、報告時期・検証のための方法や組織チーム編成、費用などを指示する

・ 問題点や仮説を整理する

→マーケティング部長と確認した課題について、現状を把握し、何を、どのように、どのような日程で、どんなチームを組んで、またはどこに補助作業を依頼して原因を究明し毛結論を出していくかを整理する
→基本フロー:課題の整理〜問題点の確認〜要因の調査分析〜問題解決への仮説づくり

・ 仮説検証の方法論を検討する

→自社商品の嗜好調査、競合商品との比較テスト、試作品の評価調査などの実施
→ホームユーステスト、グループインタビュー、CM評価調査などの実施
→現場観察、店主や顧客にインタビューする

・ 調査など情報収集・分析を行う

→調査の内容については表面的な全体に網を張ったような調査ではなく、絞られた焦点の当ったポイントについて深く掘り下げる調査を行う
→外部からフレッシュな情報を入手:ユーザー・サーベイの実施
→これらの作業や調査は時間的にもタイトなスケジュールとなることが多いので、常に進行状態や得られた結果、今後の作業や完了目標などを上司とコミュニケーションを密にすることが肝要

・ レポートを作成して部長に報告する

→レポートは一般的な報告書形式にする:簡潔に述べるために、まず結論から先に書き出すのがよい
→内容は短く、簡単明瞭に結論をはっきり出し、あいまいな表現をさける。図表などを効果的に持ちいる
→レポートには結論から導き出せる「提言」をつけておくのがよい
・ 部長と担当者が当該役員などに「事実」を説明し提言する
→調査結果の報告では「事実」の報告をする。また、事実から導き出せる結論を報告することが肝要
→報告では、結論から導かれる「提言」を付加することも有効

・ 海外マーケティングに関する典型的な業務の流れ

→海外部からマーケティング問題について相談を受ける:海外部門のスタッフの多くは、外国語に堪能で海外事情に明るく輸出入業務に精通しているが、マーケティングやマーケティング・リサーチをよく知っているスタッフは以外に少ない、というのが現状
→マーケティングのプロと海外事業のプロが互いに補完することによって、有効な海外マーケティング戦略を展開することができる:この両者の補完作用が、成功の最も重要な要素である
→海外の調査機関に調査依頼をする:SRG(SURVEY RESEARCH GROUP)に加盟している調査会社はいずれも大規模で信頼がおける。また、世界各国の調査会社リストも市販されている
→可能ならば、マーケティング部のスタッフは海外部のスタッフと共同で現地視察をすることが必要;新たに浮かび上がった問題点を調査項目に随時組み込む必要がある。その意味で、現地視察は調査票決定前がよい
→調査結果からマーケティング戦略を作成する手続きは、海外マーケティングも国内マーケティングも基本的には同じ。問題はいかにトライ率を高めるかということ;コミュニケーション戦略と流通戦略に焦点を当ててマーケティング戦略を検討する
・ マーケティング部で起こるトラブル:マーケティング戦略失敗の責任に関するトラブル
→何が原因で失敗したかを、マーケティング部が中心になって明確に究明しなくてはならない:敗戦の原因を明らかにすることは、マーケティング部の重要な業務の一つである
→情報の信頼性と解釈に関するトラブル:データが適切かどうか(データ抽出の方法論、尺度の妥当性と信頼性)、データの分析と解釈の時点で食い違いがある場合(「考え方の違い」の調整は困難)
→競合他社より深みのある仮説を抽出するためには、経験やいわゆる「感性」だけでなく、マーケティング哲学といったものが必要となる:この哲学をどの程度獲得しているかが、マーケターの能力である
→調査会社との間で起こるトラブル:「調査会社は企画書通りにやっているか」;最終的には、調査会社との間の信頼関係が基本。契約関係だけで厳密にすることも必要だが、なれあいにならない形での信頼関係も大切。そのためには、無理な企画や予算を押し付けずに、適正な企画・予算措置も講じることが、その第一歩となる

第4章 マーケティング部門に必要な知識・スキル

・ 業界・商品に関する知識:自社(自部門)が属する業界および市場について知ることは、すべてのマーケティング活動の原点である

→自社および他社製品やブランドの市場ポジションについて知っているか:差別的優位性確立を目指すマーケティング活動の転々
→ボストン・ボックス/PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析:ポジショニングのための基本ツール
→マーケティング戦略に関する理論・知識:市場、顧客、自社経営資源を重要要素として環境分析を行い、定量的かつ定性的に把握することが第一歩:環境分析→経営課題と解決策把握→市場細分化とターゲティング→顧客視点でのポジショニング→マーケティング・ミックス(Product/Price/Place/Promotion)
→コミュニケーション戦略に関する理論・スキル:コミュニケーションとは、認知・理解・態度変容をサイクルとするインタラクティブな活動のこと:コミュニケーション戦略は、最適なマーケティング・ミックスのための基本戦略である;今後は顧客と互いに良好な関係を創造する情報流通のコントロールや、情報プラットホーム創造などデジタル社会のコミュニケーション戦略構築のための新しい情報、メディア・リテラシーが必要である
→製品戦略に関する理論・スキル:・製品概念(P・コトラーの3層モデル:中核/期待/拡大商品の概念)、・「製品ミックスの拡張・縮小」(製品ラインの意味とその広さ、深さ、一貫性からなる製品ミックスと、消費者ニーズ・ウォンツの関連について)、・「製品政策」(製品差別化政策、市場細分化政策、製品ポジショニング政策、計画的陳腐化政策などの代表的政策)、・「製品評価と市場導入戦略・対応戦略」(プロダクト・ライフサイクル、PPMによる商品評価手法)、・「ブランド」(ブランドおよびブランド・ロイヤリティの意味理解、ブランド戦略、ブランド・エクイティ戦略)、・「パッケージ」(ブランドイメージや販売促進、上表提供ツール、環境問題対応)、・「今日的課題の理解」(技術革新、経済状況、法的規制、環境問題に対する動向)、・「アカウント」(シェア、売上貢献、利益貢献での効果測定手法)
→価格戦略に関する理論・スキル:価格設定の基本的な考え方、価格設定のプロセス(プライシング)、価格政策の3点から理解する;価格設定(競合、顧客価値、自我関与度による顧客の心理的サイフについて、コストベース)、プライシング(フロア価格とシーリング価格、PSM(Price Sensitivity Method)、価格政策(PPMによる代表的政策、導入期のスキミング価格、ペネトレーション価格、非価格競争など)

・ プロモーション戦略に関する理論・スキル

→4つの構成要素:「広告」「PR」「人的販売」「SP(セールス・プロモーション)」の内容と機能を理解することが重要;「広告」ではその役割と機能、媒体の種類、特徴、使い方、「SP」については消費者、流通業者、社内に対する具体的手法や、小売り業者の行うインストア・プロモーションまで詳細に把握しておく
→「プロモーション・ミックス」:消費財と生産財の種類による違い、プロダクト・ライフサイクルの位置、AIDMA(Attention(注意)_ Interest(関心)_ Desire(欲求)_ Memory(記憶)_ Action(行動)の頭文字を取ったもので、アメリカのローランド・ホールが提唱した「消費行動」の仮説である)など消費者の購買行動プロセス、プッシュ戦略またはプル戦略の違いなどを理解しておく
→プロモーション戦略の策定・実行手順の理解
→「効果測定」:効果測定の考え方と手法および内容、またDAGMAR(Defining Advertising Goals for Measured Advertising Results)理論(広告効果には売上効果のほかにもブランド認知度などのコミュニケーション効果が期待できる;広告の最終目標は売上げ目標であるが、中間目標としてコミュニケーション・スペクトラム(購買行動プロセス)の各段階(1.未知、2.認知、3.理解、4.確信、5.行動の5段階)にも目標をおき、管理可能/効果測定可能とする考え方;R.H. コーリー)

・ 流通戦略に関する理論・スキル

→「メーカー」からみた「チャネルの仕組みと構成メンバーの機能理解」
→「チャネルをどう設計し、選定するか/実際の開発手法について」
→「チャネル統制」:代理店や小売店支援について
→「チャネル系列化政策と情報流通化戦略について」:ECR(Efficient Consumer Response)概念、サプライチェーン・マネジメントによる垂直型統合、バリューチェーン・マネジメントによる水平的統合
→「ロジスティックス(物的流通)」
・ 消費者行動に関する理論・スキル(考え方)
→消費者行動の基本形(SCRモデル):STIMULUS(刺激としての商品広告)/CUSTOMER(ブラックボックスとしての消費者)/RESPONSE(商品購入行動・ブランド選択行動)
→その他のモデル:ニコシアのモデル(消費者行動を4つのプロセスに分けてモデル化);ハワード/シェスのモデル(最も包括的なモデルとして有名);EKBモデル(EKBはモデル開発者3人の頭文字)
→消費者情報処理モデル(比較的最近のモデル:消費者を「情報処理者」ととらえる):「広告などの刺激(外部情報)/消費者がその情報を受ける/情報を処理する/短期記憶・長期記憶(←動機づけ)/その商品を購入する

・ 消費者行動に関する理論・スキル(おさえるべき点)

→ニーズ、ウォンツ:ニーズは本質的なもの、ウォンツは人工的なもの。ただしマーケティングでは同義語として捉える場合もある。マズローの欲求5段階説も重要
→購買行動プロセス:「問題意識→情報探索→評価行動→購入決定→購入後行動」(AIDMA理論)
→消費者行動モデル:「刺激→反応モデル」(ニコシアモデル/ハワード・シェスモデル)、「情報処理モデル」(J・ベッドマンモデル)、数量モデル、記号論的モデル、感情反応モデルなど。また「アスピレーション、ヒューリスティック・ルールとリスクテーキング」などの心理学用語
→消費者行動に影響を与える要因:「文化的、社会的、個人的要因」と「心理的要因」が基本。消費者分析には「コーホート分析」「デモグラフィックスとサイコグラフィックス」「ライフステージ」「普及学」(M・ロジャース)が必要知識

・ マーケット・セグメンテーションの理論とスキル

→デモグラフィック特性による基準:年齢、性別、家族構成、ライフステージ、所得、資産、職業、教育など
→ジオグラフィック特性による基準:居住地域、人口規模、気候、都市化度合、人口密度など
→サイコグラフィック特性による基準:性格など心理的特性

→マーケティング的判断/効果のチェック:測定可能、到達可能、規模、その後の活動につながるか
→その他のマーケティング判断:ニッチ市場を狙う、ステップをふむ、他セグメントへの波及を計算する、リスクをみる

・ マーケティングに関する最近の理論とスキル

→テレ・マーケティング:電話、ファックス、Eメールなどインタラクティブ・メディアを使い、顧客データベースとの連動で、顧客とのコミュニケーションをとり、ダイレクト・マーケティングやデータベースマーケティングの支援、ディレクションを行う活動;CTI(Computer Telephony Integration)技術を取り入れた着信管理システムや顧客データベース、スクリーンポップ機能などを有機的に統合させたコンピュータ・システム(=コール・マネジメント・システム)の確立等が必要
→ワン・トゥ・ワン・マーケティング:顧客一人ひとりを把握し、対話を継続する中でそれぞれの顧客価値を見直し、見合った商品・サービスを提供する。さらに、互いの学習関係を確立し、カスタマイズされた商品・サービスを提供する活動を生産技術・ITの力を借りておこなう;継続的なコミュニケーション活動による詳細な顧客データベースの構築、ロイヤリティ高低や売上(利益)貢献度に対応させた顧客差別化、コスト効率とコミュニケーション効率を考慮した顧客コミュニケーションとそれに基づくリアルタイムな情報更新、商品サービスのマス・カスタマイゼーションというステップで行われる
→ブランド・マーケティング:ブランド育成を重点戦略とすべきかどうかは、市場成熟度・対象となる商品カテゴリーなどによって異なるので、企業ごとに検討すべき
→エコロジカル・マーケティング:「法律に従う方向性」と「倫理的対応」を超えて、戦略的発想で環境問題に対処する;環境問題でマイナスに作用する商品の撤退(デ・マーケティング)と、環境対応商品という形での新製品開発・新規事業の立ち上げといったビジネスチャンスの両側面を見据えた上での戦略的発想が必要
→メディア統合としてのIMC (Integrated Marketing Communication):従来の考え方においては4Pの中のプロモーション戦略の一分野として位置づけられていたコミュニケーションを、上位概念として他の機能をコントロールするものとして捉える考え方(→メディア統合);「商品そのもの」「クチコミ」「社員・その家族・出入り業者」など「すべて」をメディアと規定;それらの全体効果を獲得しようとする;広告関係分野で盛んに議論されるも、マーケティングの全般にはまだ広がっていない




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